式秀部屋問題の経緯と2026年現在は?女将・管理責任の真相を徹底解説
式秀部屋をめぐる問題は、2020年8月に所属力士9人が部屋を離れ、日本相撲協会に相談したことで大きく報じられました。背景には、女将による生活指導への不満、師匠である式秀親方の体調不良、そして相撲協会と女将の間に直接の雇用関係がないという、相撲部屋の運営制度に関わる問題がありました。
2026年現在、式秀部屋は茨城県龍ケ崎市を拠点に活動を続けています。日本相撲協会の公式部屋紹介では、師匠の式守秀五郎親方(元幕内・北桜)と所属力士が掲載されています。一方、2020年の騒動を理解するには、当時の報道内容だけでなく、女将の立場や10代式秀親方に問われた管理責任、部屋付き親方が不在だった事情を切り分けて考える必要があります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 騒動の経緯:2020年8月、式秀部屋の力士9人が生活指導への不満などを訴えて部屋を離れ、相撲協会に相談した。
- 問題の核心:女将は協会員ではなく、協会との直接の雇用関係もないため、対応では師匠の監督責任が焦点になった。
- 2026年現在:式秀部屋は存続しており、協会公式サイトで所属力士や師匠を確認できる。騒動の教訓は、個人の責任だけでなく運営体制の改善にもある。
【式秀部屋問題の経緯】2020年に力士9人が部屋を離れた理由
式秀部屋の問題が表面化したのは、2020年8月4日です。日刊スポーツなどの当時の報道によると、茨城県龍ケ崎市にある式秀部屋から、所属力士9人が一時的に離れ、日本相撲協会の通報窓口に相談しました。
力士側が訴えたのは、女将による厳しい生活指導などへの不満でした。当時の報道では、師匠の式秀親方が体調を崩して十分な指導を行えない状況にあり、女将が師匠に代わる形で力士の生活面を管理していたと伝えられています。
報道によれば、新型コロナウイルスの感染対策に関連した指示などが、力士たちの精神的な負担になっていたとされます。また、言いつけを守れなかった場合に厳しい言葉をかけられたという訴えも報じられ、「モラハラ」の可能性が問題視されました。
ただし、当時の報道で伝えられた力士側の訴えと、個々の言動について公的に確定した事実は区別して考える必要があります。騒動の存在や協会による聞き取りは報じられていますが、女将の言動すべてについて詳細な事実認定を示した包括的な調査報告書が公表されたことを前提にするのは適切ではありません。
翌5日には、力士らが日本相撲協会のコンプライアンス委員会による聞き取りを受けました。日刊スポーツの8月6日付報道によると、協会側は式秀親方と女将の指導に注意を促し、部屋を離れていた力士たちは部屋に戻りました。
この騒動の本質は、単に女将と力士の間で意見が対立したということではありません。師匠の体調不良によって指導体制が不安定になった際、生活管理を担う人物の権限や責任をどう定めるのか、問題を抱えた力士がどこに助けを求められるのかという、相撲部屋の仕組みそのものが問われた出来事でした。
【時系列】式秀部屋問題はどう進展したのか
騒動の流れを整理すると、力士の訴え、協会による聞き取り、師匠と女将への注意、部屋内での話し合いという順序が見えてきます。重要なのは、力士が部屋に戻ったことと、運営上の課題がすべて解消したことは同じではないという点です。
| 時期 | 出来事 | 確認できる内容と意味 |
|---|---|---|
| 2020年初頭 | 師匠の体調が悪化 | 当時の報道では、式秀親方が体調を崩し、女将が生活指導を担う状況になっていた。 |
| 2020年8月4日 | 力士9人が部屋を離れる | 女将の生活指導などへの不満を訴え、日本相撲協会の通報窓口に相談した。 |
| 2020年8月5日 | 協会による聞き取り | 力士らがコンプライアンス委員会の聞き取りを受け、翌6日付の報道では師匠と女将への注意が伝えられた。 |
| 2020年8月上旬 | 部屋に戻り、話し合いへ | 力士らは部屋に戻り、式秀親方は力士一人ひとりと面談して不満や改善点を確認したと報じられた。 |
| 2020年8月10日 | 協会の直接指導の難しさが報道される | 日刊スポーツは、女将が協会員ではなく、直接的な処分や指導が難しいという制度上の問題を取り上げた。 |
| 2026年現在 | 式秀部屋は存続 | 日本相撲協会の公式部屋紹介で、師匠や所属力士などの情報が掲載されている。 |
2020年8月11日付の日刊スポーツは、式秀親方が9日と10日に力士一人ひとりと面談し、これまでの不満や今後の改善点について話し合ったと報じています。女将を同席させずに行われた面談だったことも伝えられました。
こうした対応は、当面の混乱を収めるうえでは意味がありました。しかし、個別の面談だけで、師匠が指導できない場合の代行者、生活指導の権限、相談窓口の独立性といった課題まで解決したと判断することはできません。騒動の経緯を見る際は、短期的な収束と、長期的な運営改善を分けて評価する必要があります。
【問題の核心】女将と日本相撲協会に雇用関係がないのはなぜか
式秀部屋問題を理解するうえで、最も重要な論点の一つが、女将と日本相撲協会の関係です。日刊スポーツが2020年8月10日付の記事で取り上げたのは、女将が協会員ではなく、協会との雇用関係もないため、協会が女将本人に直接処分を科すことが難しいという構造でした。
相撲部屋の女将は、一般に師匠の妻などが担う役割です。部屋によって違いはありますが、来客対応や日常生活の管理、食事、事務、後援者との連絡など、力士の競技生活を支える幅広い仕事を担うことがあります。こうした仕事は部屋の運営に欠かせない一方、女将という立場そのものが日本相撲協会の独立した協会員資格になっているわけではありません。
つまり、部屋の中で大きな役割を果たしていても、協会との関係では正式な職員や協会員と同じ位置づけではないということです。ここに、運営上の権限と制度上の責任が一致しない問題があります。
一般企業であれば、従業員の指導や処分は、雇用契約や就業規則、社内の権限規定などを基礎に検討できます。しかし、女将と協会の間に直接の雇用関係がない場合、協会が女将本人に対してどこまで指示や処分を行えるのかという問題が生じます。
このため、2020年の式秀部屋問題では、女将本人への直接的な対応が難しい一方、協会員である師匠の管理責任を問う形にならざるを得ないという制度上の課題が浮かび上がりました。
ここで区別したいのは、女将と協会に雇用関係がないことと、女将が部屋内で何の責任も負わないことは同じではないという点です。部屋の運営に関わる責任のあり方は、実際に担っている仕事、師匠との役割分担、部屋内の規則、協会が持つ権限などを踏まえて考える必要があります。
また、10代式秀親方に問われた管理責任についても、女将の行為をすべて師匠個人の行為とみなすこととは異なります。焦点は、師匠が自ら指導できない状況で、代わりに生活管理を担う人物の権限や行動をどう監督するか、力士の訴えをどう把握して対応するかという点にあります。

【部屋の背景】出羽海一門・時津風一門と部屋付き親方不在の影響
式秀部屋は、1992年4月に元小結・大潮の式秀親方が創設した相撲部屋です。日本相撲協会に所属し、現在は出羽海一門に属しています。創設当初は時津風一門に属しており、部屋の系譜や師匠の交代に伴って一門の所属も変わってきました。
一門とは、相撲部屋同士の歴史的なつながりや交流などを背景とする枠組みです。ただし、一門に所属しているからといって、他の部屋の親方が自動的に日々の運営を代行するわけではありません。指導や管理を誰が担うかは、個々の部屋の体制に左右されます。
2013年には、元幕内・北桜の式秀親方が師匠を引き継ぎました。2020年の騒動当時、式秀部屋には部屋付き親方が在籍していなかったと報じられています。師匠自身も体調を崩していたため、力士の稽古以外の生活指導を誰が担うのかという問題が、より深刻になりました。
部屋付き親方とは、独立して自分の相撲部屋を持つのではなく、他の部屋に所属して指導などに携わる親方です。部屋付き親方がいる場合、師匠の負担を分担したり、力士への指導を補助したりする余地があります。ただし、部屋付き親方がいるだけで問題が防げるわけではなく、実際にどのような役割を与え、どのように連携するかが重要です。
式秀部屋の場合、師匠の体調不良と部屋付き親方の不在が重なり、生活面の管理を女将が担う状況になったと報じられました。これは、部屋の運営を特定の人物に依存していると、その人物が対応できなくなった際に指導や監督の空白が生じる可能性を示しています。
相撲部屋は、師匠が弟子を育てる伝統的な組織です。しかし、伝統的な役割分担だけでは、師匠が病気になった場合や、生活指導をめぐって力士との関係が悪化した場合の対応が明確にならないことがあります。一門内の協力体制、外部の相談窓口、代行者の選定などを平時から考えておく必要があります。
【2026年最新】式秀部屋の現在と女将の評判を確認
2026年10月現在、式秀部屋は閉鎖されておらず、茨城県龍ケ崎市佐貫4丁目に拠点を置いて活動しています。日本相撲協会の公式サイトでは、師匠として式守秀五郎親方が掲載されています。元幕内・北桜として知られ、本名は向英俊です。
同サイトの所属力士欄では、2026年の九月場所に対応する番付情報として、序二段の赤虎、大当利、黎大丸、冨蘭志壽、爽、豪鬼神、宇瑠寅、序ノ口の爆虎神、潮来桜が掲載されています。合計9人で、掲載上は関取にあたる幕内・十両の力士はいません。
なお、所属力士数は引退や新弟子の加入、番付更新などによって変わります。龍ケ崎市が2025年8月に公表した資料では12人とされていたため、当時の数字をそのまま2026年現在の人数として扱わないことも大切です。
式秀部屋の特徴として、個性的な四股名を持つ力士が多いことも知られています。赤虎、宇瑠寅、冨蘭志壽など、名前の印象から関心を持つ相撲ファンもいるでしょう。こうした特徴は、部屋の知名度や親しみやすさにつながる要素の一つです。
地域とのつながりも、現在の式秀部屋を考えるうえで欠かせません。龍ケ崎市の2025年8月27日付の広報資料によると、市は2012年度から式秀部屋への食材の差し入れを続けており、2025年9月には地元産の新米や野菜、肉類などを贈る予定を公表しました。同資料は、地元イベントでのちゃんこの振る舞いや稽古見学などを通じた地域との交流にも触れています。
また、式秀親方は2014年3月から龍ケ崎ふるさと大使を務めていると、同市の資料に記載されています。こうした公的な情報からは、2020年の騒動後も、式秀部屋が地域社会との関係を持ちながら活動してきたことがうかがえます。
では、式秀部屋の評判はどう評価すべきでしょうか。2020年の騒動は、力士への指導や管理体制に対する深刻な懸念を生んだ出来事です。一方、地域との交流や部屋の継続的な活動も、現在の部屋を評価するうえで無視できない事実です。過去の問題だけで現在の運営全体を断定することも、地域とのつながりだけを根拠に過去の問題が完全に解消したとみなすことも、適切ではありません。
女将の現在の職務や処遇については、日本相撲協会の公式部屋紹介ページに具体的な説明は掲載されていません。そのため、2020年当時の報道を根拠に、2026年現在も同じ役割や指導方法が続いていると決めつけることはできません。現在の状況を知る際には、過去の報道と、最新の公式情報を分けて見る必要があります。

【制度の課題】力士の育成方法と相撲部屋の運営体制はどう変えるべきか
式秀部屋問題から導き出せる教訓は、個人の資質や人間関係だけに原因を求めず、問題が発生したときに機能する運営体制を整える必要があるということです。力士は稽古だけでなく、食事や生活管理、人間関係を含む共同生活を送ります。そのため、指導者の権限が曖昧なままでは、日常の注意や指導が過度な負担につながるおそれがあります。
第一に、師匠、部屋付き親方、女将、マネージャーなどの役割を明確にすることです。稽古の指導、生活上のルール、健康管理、事務作業、相談対応を一人に集中させず、誰が何を担当し、誰が最終的な判断をするのかを共有しておく必要があります。
第二に、師匠が病気やけがで十分に指導できない場合に備え、代行体制を整備することです。式秀部屋の騒動では、師匠の体調不良と部屋付き親方の不在が重なっていました。特定の人物に運営を依存しない仕組みがあれば、緊急時にも生活指導や相談対応の空白を減らせます。
第三に、力士が安心して相談できる窓口を確保することです。部屋内の人間関係そのものが相談の対象になる場合、同じ部屋の関係者だけに相談先を限定すると、問題を訴えにくくなる可能性があります。協会の相談窓口についても、相談後の対応、秘密の取り扱い、必要に応じた第三者による確認などを明確にすることが望まれます。
第四に、女将など協会員ではない立場の人が部屋の運営に深く関わる場合、役割や責任の範囲を整理することです。協会との雇用関係がないという事情だけで問題への対応が難しくなるなら、部屋側の契約や業務分担、協会が介入できる範囲などを制度的に検討する余地があります。これは女将の仕事を軽視するためではなく、実際に担っている責任に応じた支援と監督を可能にするためです。
第五に、力士の育成方法を、競技力の向上だけでなく健康と安全の観点からも点検することです。相撲では厳しい稽古や規律が重視されますが、厳しさと不適切な言動は同じではありません。指導の目的、守るべきルール、注意の方法、相談を受けた際の対応を具体化することで、伝統を尊重しながら改善できる部分があります。
これらは式秀部屋だけに当てはまる話ではありません。相撲部屋はそれぞれ規模や人員構成が異なるため、同じ仕組みを一律に導入するだけでは十分ではありません。しかし、師匠の健康上の問題、指導者不足、力士からの相談、協会員ではない運営担当者への対応という論点は、相撲界全体で検討する価値があります。
【式秀部屋】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:式秀部屋の問題は何が原因だったのですか?
A1:2020年8月、力士9人が女将による生活指導などへの不満を訴え、部屋を一時的に離れたことが発端です。当時は師匠の体調不良と部屋付き親方の不在が重なり、生活管理を担う体制が問題の背景にありました。
Q2:女将と日本相撲協会に雇用関係がないと、なぜ問題になるのですか?
A2:女将は一般に師匠の妻などが担う立場で、協会員とは異なります。協会が女将本人に直接処分や指導を行うことが難しい場合、協会員である師匠の監督責任が焦点になりやすく、運営上の権限と責任の関係が課題になります。
Q3:式秀部屋は2026年現在も存続していますか?
A3:はい。日本相撲協会の公式部屋紹介ページには式秀部屋と師匠の式守秀五郎親方が掲載されています。所属力士の番付情報も公開されており、2020年の騒動を理由に部屋が閉鎖されたわけではありません。
まとめ:【プロの結論】式秀部屋問題が残した教訓と今後の判断基準
式秀部屋問題は、2020年8月に力士9人が部屋を離れたことで表面化しました。背景には、女将による生活指導への不満だけでなく、師匠の体調不良、部屋付き親方の不在、女将と日本相撲協会に直接の雇用関係がないという制度上の問題がありました。
この問題を理解するうえで大切なのは、女将個人の言動だけに注目するのではなく、誰が指導し、誰が監督し、問題が起きたときに誰が介入できるのかという運営の仕組みまで見ることです。10代式秀親方に問われた管理責任も、指導を代行する人物をどう監督し、力士の訴えにどう対応するかという観点から考える必要があります。
2026年現在の式秀部屋は、協会公式サイトに所属力士が掲載され、龍ケ崎市との交流も続いています。過去の騒動と現在の活動は、それぞれ分けて評価するべきです。
相撲部屋の評判や運営状況を判断する際は、①協会や自治体の公式情報、②当時の報道で確認できる経緯、③関係者の訴えと公的に確認された事実の違い、④現在の運営状況という4点を照らし合わせることが重要です。伝統を守ることと、力士が安心して稽古や生活に取り組める環境を整えることは、両立させなければなりません。
式秀部屋問題が相撲界に突きつけた課題は、誰か一人を責めて終わることではなく、指導者が不在になった場合にも機能する管理体制と、力士が声を上げられる仕組みを整えることにあります。それこそが、今後の相撲部屋運営と力士育成の改善を考えるうえでの重要な判断基準です。 (出典: 式秀部屋(Yahoo!ニュース))